内容紹介
紀元前二千年紀、経済力と技術力を武器に、東地中海沿岸部に次々と国際商業都市を建設した、海洋の民フェニキア人。アルファベットの元となった「フェニキア文字」で知られる彼らは、オリエントの諸大国に脅かされながらもしたたかに生き抜き、北アフリカにカルタゴを建国、地中海の覇者となる。最後の敵・ローマとの三次に及ぶポエニ戦争、ハンニバルの活躍、スキピオ軍の破壊の末に滅亡した帝国カルタゴは、何を歴史に残したか。
講談社創業100周年記念企画として刊行された全集「興亡の世界史」の学術文庫版。大好評、第2期の2冊目。
紀元前二千年紀、現在のレバノンの地に出現し、経済力と技術力を武器に、東地中海沿岸部に次々と国際商業都市を建設した、海洋の民フェニキア人。のちのアルファベットのもととなった「フェニキア文字」で知られる彼らは、アッシリアやアケメネス朝ペルシアなどオリエントの諸大国に脅かされながらも千数百年をしたたかに生き抜き、一部は北アフリカにカルタゴを建国、イベリア半島までおよぶ地中海の覇者として君臨するが、やがて彼らの前に、強大化した最後の敵・ローマが立ちはだかる。
三次にわたるポエニ戦争、ハンニバルの活躍、スキピオ率いるローマ軍による破壊のすえに滅亡した帝国カルタゴは、地中海世界に何を残したか。古代地中海史の「失われた半分」の復元に挑む、日本人研究者による、初めての本格的フェニキア・カルタゴ通史。
原本:『興亡の世界史 第03巻 通商国家カルタゴ』講談社 2009年刊
目次
- 学術文庫版へのまえがき
- プロローグ――地中海史の中のカルタゴ
- 第一章 フェニキアの胎動
- 第二章 本土フェニキアの歴史
- 第三章 フェニキア人の西方展開
- 第四章 カルタゴ海上「帝国」
- 第五章 上陸した「帝国」
- 第六章 カルタゴの宗教と社会
- 第七章 対ローマ戦への道
- 第八章 ハンニバル戦争
- 第九章 フェニキアの海の終わり
- エピローグ
- 学術文庫版のあとがきにかえて
- 参考文献
- 年表
- 人名・著作家名一覧
- 索引