内容紹介
14世紀の初頭、アナトリアの辺境に生まれた小国は、バルカン、アナトリア、アラブ世界、北アフリカを覆う大帝国に発展した。強力なスルタンによる広大な地域の征服から、「民族の時代」の到来により「多民族の帝国」が分裂するまでを描き、柔軟に変化した帝国の仕組みと、イスタンブルに花開いたオスマン文化に光をあてる。 イラク、シリア、そしてパレスチナと、現在も紛争のさなかにあるこの地域を理解するためにも必読の書。
講談社創業100周年記念企画として刊行された全集「興亡の世界史」の学術文庫版第一期のうちの第4冊目。
14世紀の初頭、アナトリアの辺境に生まれた小国は、バルカン、アナトリア、アラブ世界、北アフリカを覆う大帝国に発展し、19世紀までの約500年にわたって、多民族と多宗教を束ね、長期の安定を実現した。
この「オスマン帝国」は、一般に理解されているような「イスラム帝国」であり「トルコ人の国」だったのだろうか?
メフメト2世、スレイマン1世ら強力なスルタンのもとで広大な地域を征服した後、大宰相を中心に官人たちが支配する長い時代が続き、やがて、「民族の時代」の到来により「多民族の帝国」が分裂するまでを描き、柔軟に変化した帝国の仕組みと、イスタンブルに花開いたオスマン文化に光をあてる。
イラク、シリア、そしてパレスチナと、オスマン帝国の崩壊後、この地域は、現在も紛争のさなかにある。現代の世界を理解するためにも必読の書。
[原本:『興亡の世界史 第10巻 オスマン帝国500年の平和』講談社 2008年10月刊]
目次
- はじめに
- 第一章 アナトリア─一〇五〇~一三五〇─
- 第二章 バルカン─一三五〇~一四五〇─.
- 第三章 戦うスルタンの旗のもとで─一四五〇~一五二〇─.
- 第四章 スレイマン一世の時代─一五二〇~六〇─
- 第五章 オスマン官人たちの時代─一五六〇~一六八〇─.
- 第六章 近世オスマン社会を生きる.
- 第七章 繁栄のなかの不安─一六八〇~一七七〇─
- 第八章 オスマン体制の終焉─一七七〇~一八三〇─
- おわりに─「民族の時代」のなかで
- 参考文献
- 年表.
- オスマン帝国用語集.
製品情報
製品名 | 興亡の世界史 オスマン帝国500年の平和 |
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著者名 | 著:林 佳世子 |
発売日 | 2016年05月11日 |
価格 | 定価 : 本体1,280円(税別) |
ISBN | 978-4-06-292353-8 |
通巻番号 | 2353 |
判型 | A6 |
ページ数 | 416ページ |
シリーズ | 講談社学術文庫 |
初出 | 本書の原本は、2008年10月、「興亡の世界史」第10巻として小社より刊行されました。 |