内容紹介
キリスト教世界で「裏切り者」「密告者」の汚名を一身に受けてきたユダ。イエスへの裏切りという「負の遺産」はどう読み解くべきなのか――。原始キリスト教におけるユダ像の変容を正典四福音書と『ユダの福音書』に追い、初期カトリシズムとの関係から正統的教会にとってのユダと「歴史のユダ」に迫る。イエスの十字架によっても救われない者とは誰か。
目次
- はじめに
- 旧約・新約聖書 諸文書略号表
- 凡 例
- ユダの共観表
- I 原始キリスト教とユダ
- 第一章 イスカリオテのユダ──名称の由来とその意味
- 第二章 イエスとの再会──マルコ福音書のユダ
- 第三章 銀貨三十枚の値打ち──マタイ福音書のユダ
- 第四章 裏切りと神の計画──ルカ文書のユダ
- 第五章 盗人にして悪魔──ヨハネ福音書のユダ
- II 使徒教父文書・新約聖書外典と『ユダの福音書』のユダ
- 第六章 正統と異端の境──使徒教父文書と新約聖書外典のユダ
- 第七章 十三番目のダイモーン──『ユダの福音書』読解
- III ユダとは誰か
- 第八章 歴史の中のユダ
- ユダの図像学 石原綱成
- あとがき
- 図版一覧
- 参考文献
製品情報
製品名 | ユダとは誰か 原始キリスト教と『ユダの福音書』の中のユダ |
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著者名 | 著:荒井 献 |
発売日 | 2015年11月11日 |
価格 | 定価 : 本体960円(税別) |
ISBN | 978-4-06-292329-3 |
通巻番号 | 2329 |
判型 | A6 |
ページ数 | 288ページ |
シリーズ | 講談社学術文庫 |
初出 | 本書の原本は、2007年5月、岩波書店より刊行されました。 |