内容紹介
文壇事情に精通し、匿名批評も多くし、四十九歳で世を去った昭和の文芸批評家、十返肇。軽評論家と称され、正当な評価を受けていたとは言いがたい彼はしかし、文学への深い愛と理解力、該博な知識をもって、昭和という激動の時代の文学の現場に、生き証人として立ち会い続けた希有なる評論家であった。今なお先駆的かつ本質的な、知られざる豊饒の文芸批評群。
文壇事情に精通し、匿名批評も多くし、四十九歳で世を去った昭和の文芸批評家、十返肇。
軽評論家と称され、正当な評価を受けていたとは言いがたい彼はしかし、文学への深い愛と理解力、該博な知識をもって、昭和という激動の時代の文学の現場に、生き証人として立ち会い続けた希有なる評論家であった。
今なお先駆的かつ本質的な、知られざる豊饒の文芸批評群。
目次
- 贋の季節──戦後文学の環境──(抄)
- 文芸雑誌論
- 「文壇」の崩壊
- 文学界人物史
- ピンからキリまで
- 詩のない生活から
- 解説 坪内祐三
- 年譜