「ときどき何だか恋しくなって、うっかりページをひらいてしまう」(朝吹真理子選「親友交歓」)、 「悲嘆にくれながら笑い、怒りながらおどける。背反を抱え、そのまま抱きしめ続ける人」(滝口悠生選「葉」)、 「儚くて、かわいくて、切実で」(西加奈子選「皮膚と心」)―― 三十八歳で歿した太宰の短篇を、七人の現代作家が同世代の眼で選んだ作品選。
猫弁と奇跡の子
大山 淳子
うたかたモザイク
一穂 ミチ
カメオ
松永K三蔵
SL銀河よ飛べ!!
西村 京太郎
悲終伝
西尾 維新
サンセット・サンライズ
楡 周平
幻告
五十嵐 律人
17歳のサリーダ
実石 沙枝子
タブー・トラック
羽田 圭介
京都四条 月岡サヨの板前茶屋
柏井 壽
あえのがたり
加藤 シゲアキ,今村 翔吾,小川 哲,佐藤 究,朝井 リョウ,柚木 麻子,荒木 あかね,今村 昌弘,蝉谷 めぐ実,麻布競馬場
死んだ山田と教室
金子 玲介
太宰治(1909.6.19~1948.6.13) 小説家。青森県生まれ。県内屈指の素封家の六男として誕生。青森県立青森中学校在学時から同人誌に作品を発表。1930年、東京大学仏文科在学中に共産主義活動にのめり込み、女給田部シメ子と心中を図る。35年「文藝」に発表した「逆行」が第一回芥川賞候補となる。36年、処女作品集『晩年』刊行。37年、内縁の妻小山初代と心中未遂。39年、井伏鱒二の仲介で石原美智子と結婚し、安定した生活を得て充実した作品を次々に発表。戦後『斜陽』で流行作家となるが、『人間失格』を書き上げた48年に愛人山崎富栄と玉川上水で入水自殺。主な著書に『虚構の彷徨 ダス・ゲマイネ』『二十世紀旗手』『愛と美について』『東京八景』『新ハムレット』『駈込み訴え』『右大臣実朝』『津軽』『ヴィヨンの妻』『如是我聞』など。
失格でもいいじゃないの 太宰治の罪と愛
女性作家が選ぶ太宰治
男性作家が選ぶ太宰治
回想の太宰治
走れメロス(児童)
いまさら入門 太宰治
津軽・斜陽の家
虚構の彷徨 ダスゲマイネ