内容紹介
-内容紹介-
「ソーシャルブレインズ」は、「社会脳」と訳される、いまもっとも注目のキーワードです。
世の中には、人の数だけ脳があります。複数の脳がやりとりをすることで、人間関係や社会はなりたっています。見方を変えれば、脳は、そのような、他者との関係や社会の中で、初めてその機能を理解できるものです。
「ソーシャルブレインズ」とは、そんな「人間関係や社会に組み込まれた状態の脳の機能」のことです。「空気を読んだり、がまんしたり、人とつきあう」脳の機能です。
これは、専門家でなくても自然に理解できる考え方です。しかし、これまでの脳科学では、ソーシャルブレインズに着目した研究を行おうとしても、技術的な「研究の壁」に阻まれていました。
この壁を破りつつあるのが、著者の藤井直敬氏です。斬新な実験方法の開発を行うと同時に、「脳も社会も、ハブを持つネットワーク構造であり、共通したアプローチで理解できるもの」という考え方から、この新しい分野を切りひらきつつあります。
本書は、そんな著者の描いた「ソーシャルブレインズ研究の俯瞰図」であり「脳科学者が何を考えながら研究しているかを率直に綴ったノート」でもあります。やわらかな感性と冴えた知性、そして、毎日出版文化賞(前著『つながる脳』NTT出版)を受賞した魅力的な文章で語る、「新しい脳科学の時代」を告げる入門書です。
目次
- <目次>
- 第1章 ソーシャルブレインズとは何なのか?
- 脳はどうやって機能を拡張してきたのか?/ひとりきりの脳はどこまで脳なのか?/お茶とケーキに手を出しますか?/社会的ゾンビ/「空気」とゾンビ/脳の自由度について考える/透明人間になったのび太/創造性との関係/ハブという考え方/脳と社会と階層性ネットワーク……
- 第2章 これまでのソーシャルブレインズ研究――顔、目、しぐさ
- 顔はなぜ特別なのか?/脳はどのように顔を認知するのか?/目の力/しぐさの力/ミラーニューロンの意義と問題/自他の境界/仮想空間の腹腕/コミュニケーションとタイミング/鏡の中の自分は誰?/脳の中のペプシマンと身体イメージ/他者認知のしくみを読み替える……
- 第3章 社会と脳の関わり――「認知コスト」という視点
- ミステリで考えてみる/ミーティングで携帯を頻繁にチェックする部下/社会的駆け引き/頑固なサル/ルールと脳について考える/9・11のあとにアメリカで感じたこと/アイヒマンの発言「私は命令に従っただけだ」/ミルグラム実験/スタンフォード監獄実験/人は何でもやりかねない/脳と社会と倫理……
- 第4章 僕はどうやってソーシャルブレインズを研究しているか
- 第5章 ソーシャルブレインズはそもそもどこにあるのか?
- キーワードは「関係性」/まず二頭のサルで考える/何でもかんでも記録する「多次元生体情報記録手法」/ECoG電極の試み/消えないコーヒーメーカー/脳内ネットワークの関係性をどう記述するか/「あの二人はつきあっているの?」/脳科学研究の革命
- 第6章 ソーシャルブレインズ研究は人を幸せにするか?――幸せとリスペクトの脳科学
- 脳科学が個人にできること/赤ちゃんとお母さんの関係/無条件で認めてくれる存在/リスペクトからはじまる/母子間コミュニケーションからソーシャルブレインズへ/ソーシャルブレインズ研究のこれから
製品情報
製品名 | ソーシャルブレインズ入門――<社会脳>って何だろう |
---|---|
著者名 | 著:藤井 直敬 |
発売日 | 2010年02月18日 |
価格 | 定価 : 本体740円(税別) |
ISBN | 978-4-06-288039-8 |
通巻番号 | 2039 |
判型 | 新書 |
ページ数 | 240ページ |
シリーズ | 講談社現代新書 |
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