運命の春が来る──。従兄弟同士の直樹と隆は、まもなく十七歳の誕生日を迎えようとしていた。毎年同様、隆の住む花の里の家を訪れた直樹と典子兄妹は、隆の母親の美紀子に対する冷淡な態度に戸惑う。「あの女が悪い」毎夜部屋を訪れるなにものかの気配に苛立つ隆。息子の目の中に恐れていた兆しを見つけて絶望する美紀子に異変が。直樹と隆──二人の少年を繋ぐ悲劇の幕が上がる!!
大分県生まれ。大谷大学文学部卒業。講談社X文庫ティーンズハートでデビュー。2013年『残穢』で山本周五郎賞受賞。著書に<十二国記〉シリーズ、〈ゴーストハント〉シリーズ、『屍鬼』『くらのかみ』など。