地元の人たちが「風の館」と呼ぶ屋敷で、洵は幽霊の洵吾をはじめ、二本足で立ってしゃべる猫、意地悪なカラス、動く鎧武者など、奇妙なものたちに出会い、不思議な体験をする。 この館には二つの世界が重なっていて、彼らはもう一つの世界の住人なのだ。そして二つの世界を行き来できるのは、風と洵だけなのだという。 年末のある日、洵は町で顔のない男に出会う。さらに、行方不明だった千夏の父・千昭が10年ぶりに風間家に帰ってきて、「風の館」に不穏な空気が流れはじめる。
あさのあつこ1954年、岡山県生まれ。青山学院大学卒業。『バッテリー』で第35回野間児童文芸賞受賞。バッテリー』全6巻で第54回小学館児童出版文化賞受賞。著書に『バッテリー』シリーズのほか、YA!ENTERTAINMENT『NO.6』シリーズ、青い鳥文庫『テレパシー少女「蘭」事件ノート』シリーズ、『THE MANZAI』シリーズ、『白兎』シリーズなど多数。岡山県在住。
山田J太千葉県生まれ。漫画家兼イラストレーター。おもな作品に「蒼界のイブ」(双葉社)、「UN-GO 敗戦探偵・結城新十郎」(角川書店)、挿絵の仕事に「IQ探偵ムー」シリーズ(ポプラ社)などがある。