大好きなバンドのメンバーを巡って、友達との関係を壊してしまったえり。だけど、ある出来事から3人は仲直りする。うんざりする日々への憤り、セックスへの興味と不安、そして「大人」たちへの反発。3人は家出同然で東京に向かう。まだ本当の「恋」さえ知らない少女たちの、ヒリヒリするような青春小説。(講談社文庫)
ライヴハウスの暗闇は、すべてのことを教えてくれた。
アッ!! つ、ついに書いてしまったか! 多くのロックミュージシャンが、できればなかったことにして、葬り去ろうとしているあの時代の、ロックの裏側を、秘密を、かつてのおっかけ少女が全て書いちまった。しかも、痛い、切ない、熱い青春物語りとして。やばいよこれ。――(大槻ケンヂ)
力の限り、走りたい。走って走って、もう息ができなくなるまで、自分が誰でここがどこで何を追いかけてるのかわからなくなるまで、私はみんなと走っていたい。速く。速く。身体はいつも前のめり。心はさらに前のめり。つんのめって転びそうな身体をなんとか支えて私は走る。どこまでも、どこまでも。自分から逃げるため。自分をつかまえるため。どっちなのか、わからない。だけど、止まっていちゃ、きっと何も始まらない。止まっていちゃ、私は私でいられない。(中略)だから私は追っかけをする。走ってる時だけが、自分のサイズがぴったり合っている気がするから。――(本文より)
大好きなバンドのメンバーを巡って、友達との関係を壊してしまったえり。だけど、ある出来事から3人は仲直りする。うんざりする日々への憤り、セックスへの興味と不安、そして「大人」たちへの反発。3人は家出同然で東京に向かう。まだ本当の「恋」さえ知らない少女たちの、ヒリヒリするような青春小説。
※この作品は、2006年10月に小社より刊行された『バンギャル ア ゴーゴー』(上・下)を3分冊としたものです。
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