’70年代のほろ苦い青春を描く短編連作集。 ラストシーンを憶えてる?もちろんと僕は答える。あのラストシーンが好きなのとヨーコは言う、どこにも行かなくて済むっていうものを見つけなさい。基地の街から出てきた東京はひどく退屈で、麻薬とセックスと音楽に明け暮れる中で、映画だけは強烈な魅力にあふれていたのだ──。平林たい子文学賞受賞作。