陽子は、慶国の玉座に就きながらも、自らの不甲斐なさに逡巡し、苦悩し続けていた。鈴は、蓬莱で親に捨てられ、虚海に落ち、そして才国で拾われながら、仙のもとでもなお、苦業を強いられ泣いていた。祥瓊(しょうけい)は、公主として華やかな暮らしを送っていたが、父王の圧政から民の反乱が起こり、王も王后も殺され、雪の中、橇を引いていた。――苦難のなか、幸せを求めて歩む3人の娘の、果てしない人生が、今ここに始まる!
華胥の幽夢
黄昏の岸 暁の天
図南の翼
東の海神 西の滄海
風の万里 黎明の空
風の海 迷宮の岸
月の影 影の海