宿命 警察庁長官狙撃事件 捜査第一課元刑事の23年
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内容紹介
警察庁長官狙撃事件は、なぜ解決できずに時効を迎えなければならなかったのか。濃厚な容疑を持つ人物が浮上していながら、なぜ、オウム真理教団の犯行に固執しなければならなかったのか。日本警察の宿命を説く第一線捜査官による待望の手記。
警視庁捜査第一課伝説の刑事・原雄一氏による待望の手記。
1995年3月30日朝、東京・荒川区において、國松孝次警察庁長官が何者かに狙撃された。警視庁は、当時の社会情勢等から、オウム真理教団による組織的テロと見て、警察の威信をかけた大捜査を展開、2004年に至り、オウム真理教関係者の逮捕にこぎつける。しかし、被疑者らが起訴されることはなく捜査は迷走し、2010年3月、多くの謎を残したまま事件は時効を迎えてしまった。
実は、この捜査の陰で、濃厚な容疑を持つ人物が浮上していた。その人物は民兵組織の結成を目指した「中村泰」。中村の内偵を進めた原氏は、徹底抗戦する中村の取調べを継続し、ついに中村から、警察庁長官を狙撃した自供を引き出す。そして、その供述は、現場の状況に合致して迫真に富み、犯人しか知り得ない内容に満ちていた。原氏が率いる捜査班は、幾多の困難を克服しながら中村の捜査を推し進め、多くの証拠を蓄積していくが、中村が立件されることはなかった。
なぜ、中村の捜査は封印されたのか。警視庁幹部、警察組織、現場捜査員、被疑者、社会情勢等、様々な「宿命」が絡み合い、葬り去られた事件の真相に迫る。
目次
- 第一章 警察VS.オウム
- 警官殺害犯を追え!/日本警察の一番長い日/357マグナムの破壊力/教祖の隠れ穴
- 第二章 急浮上した老鎗客
- 若手刑事の直訴/マスコミが気づいた/満州から来た男
- 第三章 タイム・リミット
- はたして私を逮捕できますか/最終日の供述/逃走経路/組織の論理と現場刑事
- 第四章 包囲網
- やはり供述どおりだった/警視総監の耳打ち/浮上したメキシコ人女性支援者
- 第五章 ガン・ショー
- ロサ・ゴンザレスの告白/海外捜査の重圧
- 第六章 自供
- 「反権力」の魂/巨大組織の「宿命」/公訴時効と公安部長の会見/あと一年早かったら
- 第七章 刑事と公安
- 大晦日に上京した男/相模原で暮らす女/蒲田を彷徨う男
- 第八章 最後の告白
- 岐阜刑務所での面会/捜査終結
製品情報
製品名 | 宿命 警察庁長官狙撃事件 捜査第一課元刑事の23年 |
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著者名 | 著:原 雄一 |
発売日 | 2018年03月28日 |
価格 | 定価 : 本体1,600円(税別) |
ISBN | 978-4-06-221024-9 |
判型 | 四六 |
ページ数 | 306ページ |