吉川英治文学賞に輝く傑作 信濃の椋鳥・小林一茶の独自の俳境を求めた壮烈な人生。 〈わが星は上総の空をうろつくか〉仰ぎ見る星、それは花嬌だ。上総・富津の織本家の若い未亡人花嬌だ。花嬌がこの世にいるだけで、存在の芯軸があるような気がするのだ。〈美しき団扇持ちけり未亡人〉──本文より