内容紹介
生家の筋向かいに、当時全盛を極めた「友綱部屋」があり、取的が出入りし、関取と並んでチャンコ鍋をつつくという幼少年期を過ごした著者は、戦後、横綱審議会委員となり、視力を失う最晩年まで務めるなど、文壇きっての相撲通。土俵、仕切り、行司の変遷、双葉山始め名力士の技倆の分析等、厖大な知識と熱意で綴る。迫り来る戦火に、相撲という伝統美を死守するの心意気で書かれた異色の日本文化論。
戦時下に書かれた耽美派作家の相撲論。
生家の筋向かいに、当時全盛を極めた「友綱部屋」があり、取的が出入りし、関取と並んでチャンコ鍋をつつくという幼少年期を過ごした著者は、戦後、横綱審議会委員となり、視力を失う最晩年まで務めるなど、文壇きっての相撲通。土俵、仕切り、行司の変遷、双葉山始め名力士の技倆の分析等、厖大な知識と熱意で綴る。迫り来る戦火に、相撲という伝統美を死守するの心意気で書かれた異色の日本文化論。
轡田隆史
とかく戦争のことが頭をはなれない、とも記しているのに、戦争に言及するくだりはまことに少ない。それどころか、「鬼畜米英」を撃滅するために「一億火の玉」になれと叫んでいる時代に、相撲の風俗を描きながら、相撲の「いろけ」に言及し、それを巧みにとらえているのに、ぼくはあらためてこころうたれる。――<「解説」より>
目次
- 第一章
- 第二章
- 第三章
- 第四章
- 第五章
- 第六章
- 第七章
- 第八章
- 第九章
製品情報
製品名 | 相撲記 |
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著者名 | 著:舟橋 聖一 |
発売日 | 2007年12月12日 |
価格 | 定価 : 本体1,400円(税別) |
ISBN | 978-4-06-198499-8 |
判型 | A6 |
ページ数 | 304ページ |
シリーズ | 講談社文芸文庫 |
初出 | 底本:創元社刊『相撲記』(’43年6月)。第七章のその二からその六までは紙幅の関係上、割愛。 |