貧しい空寺の番人で絶望の生涯を終えた金子光晴の実父。恋愛神聖論の後、自殺した北村透谷。才能の不足を嘆じて自分の指を断ち切り芸術への野心を捨てた友人の彫刻家。時代の奥の真裸の人間を凝視する明治生まれの詩人が近代100年の夢に挫折した日本人の原体験をたどり日本人であるがゆえの背負わされた宿命の根源を衝く。近代史の歪みを痛烈に批判する自伝的歴史エッセイ。
月の宴
風景の向こうへ・物語の系譜
草の花
火の誓い
父たちの肖像
やわらかな心
板散華
風貌・姿勢
意中の文士たち
包む
箱の話・ここだけの話
眼の哲学・利休伝ノート
虚妄の正義
一色一生
加賀金沢・故郷を辞す
式子内親王・永福門院
番茶菓子
思い出すままに
近代の超克
ちぎれ雲
英国の文学の横道
カレンダーの余白
贅沢貧乏
山川登美子 「明星」の歌人
英語と英国と英国人
愛酒樂酔
父の帽子
恥部の思想
女の日記
一草一花
手の変幻
異邦人の立場から
風前雨後
泉に聴く
栗の樹
歴史について
文学の運命
人と人影