「死のうは一定」――姑息因循な“時代”の壁を蹴破り、闊達自在の“自由”を生きた、先駆する“近代”織田信長。天下周知の笑い者が、一瞬にして変貌、屹立する――この稀代の人物を史実を踏まえ、作者の凛質と独自の文学的手法で活写した傑作長篇「信長」とキリシタン受難史を描いた「イノチガケ」他2篇。