根っからの海軍軍人でありながら、動乱の昭和史のなかで、父の放蕩で苦労をなめながら、耐える強さで、心ならずも政治家となった米内光政。海軍大臣、内閣総理大臣の要職を歴任するあいだ、彼は盛岡に生まれた東北人らしい寡黙とねばりとで、あまたの難題に立ち向かう。まさに激流でひとつ踏みとどまる舟であった。昭和史の偏した流れをくいとめるために一身を投げ出す良識派軍人の生涯を、豊富な資料と取材で描いた評伝小説。
日本海軍の良心といわれた最後の提督の評伝盛岡に生まれ、父の放蕩で苦労をなめながら、耐える強さで海軍軍人となった米内光政は、昭和史の偏した流れをくいとめるために一身を投げ出す。精密な評伝小説。
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