ポスト・モダニズムは、その内実がよく理解できるようになるに従って、文学にとっても思想にとっても反動的性格を持つものであることが見えてきた。この評論集1冊は、そういった文学と思想の潮流に対する対抗である……。〈在日〉の苦しみを深く表現した金鶴泳文学への共感に始まり、〈20世紀末の無神論〉としてポスト・モダニズムから、昭和と天皇制の問題をも考察。竹田思想の真髄を示す好著。