芭蕉の代表的歌仙10巻をえらんで、連句付け合いのドラマと言葉の重層性をあざやかに解き明かす──古典評釈を以て詩となす壮大なこころみ、全2巻。本下巻には、元禄3年(1690)、郷里伊賀上野から湖南の膳所(ぜぜ)へ出、京に入った「奥の細道」後の俳諧師が周到にくわだてた第2次の新風「花見の巻」(ひさご)「灰汁桶(あくおけ)の巻」(猿蓑)のほかに、「炭売の巻」「霜月の巻」(冬の日)、「空豆の巻」(炭俵)を併せ収める。