ヴェンセスラオ・デ・モラエスは、ポルトガルの海軍軍人として明治末期に来日、日本婦人と結婚し、日本に関する数多くの著書を発表した。本書は、日本人の言語や宗教や歴史、また風俗や習慣など、日本人の伝統的なものの考え方や感じ方の特殊性を、細部に至るまで的確・鮮明に取り出して見せてくれる。日本に30余年も生活し、徹底して日本を愛した外国人の、先駆的かつすぐれた日本人論である。