法制史とは“国民の法律生活の歴史の解明”だとの学的認識に立って論述された『日本法制史』の下巻には、「融合法時代中期(国法時代)」、「融合法時代後期(定書時代)」の2編を収録。戦国諸家の法制から説き進め、織豊二氏の法制、次いで徳川家康の諸国大名に対する3箇条の誓詞に始まる江戸幕府270年の法制史は、封建制度下における階級制度、身分制度の細部におよぶ考証によって、国民の生活史実を厳粛に論じた名編である。