日本の思想及び文学と儒教とのかかわりは古く、記紀の時代からであり、かつその影響力たるや深く、儒教を理会せずに日本を語れないと言われているが、その中国で2000余年の間になした変化発展は複雑である。偏見を棄て、虚心担懐に儒教の本道(ほんとう)を識ることは、現在の日本人にとって必要なことであろう。本書は儒教の根本思想を「儒教の成立と発展」「経書及び経学」「哲学思想」「倫理思想」「政治思想」の5段階の区分し、整理した好著である。