著者渋沢栄一は、明治政財界の大立物である。維新の動乱をくぐりぬけ、明治新政府の財政・金融制度の確立に尽力。明治6年下野して後は、第一国立銀行の創立を初め、500余の会社を設立し、我国資本主義経営の礎を固めた。その著者が日常生活の規準とし、実業経営上の金科玉条として全面的に信頼したのが「論語」である。本書は著者が晩年に、自らの波乱の体験を語りながら「論語」を解説し、その読み方を説いた、異色の「論語講義」である。