外なる道徳規範に基づいた戦前の価値体系が崩壊した現代の日本人にとって、「生きがい」というわれわれ一人一人の内なる価値体系をどうしたら建設しうるか。本書は人間の心の奥のうずきを善きものと見る性善説の立場から、人間における「機能快」の構造を科学的に考察し、現代文明の中での「人間らしさ」のあり方を新たに追求する。外国生活の経験から得た幅広い視野に立って、著者は実際的でかつ滋味豊かな人生論を独創的に展開する。