戦争権限は大統領にあるのか、議会にあるのか。湾岸戦争を目前に控え、議会は動き出す。もはや共和党も民主党もない。戦争か否かの1票を自らの良心に従い、投じるのだ。
「アメリカ議会最良の時」――議会制度は瀕死の状態だという人もいる。冒頭紹介したような、アメリカでも日本でもみられる議員の生態は、その証拠だ。(中略)議会制度は、利権構造で民衆に媚びたがために、存立の基盤を自ら切り崩し、復讐を受けているのだ。これは、日本も同じことである。問題は、議会制度の根幹にかかわるような事態が訪れたときに、どれだけ本来期待されている機能を議会が果たせるかだ。よたよたのアメリカ議会は、ペルシャ湾岸危機が実質的な米・イラク戦争へと移行していく最後の局面で、とにかくその期待に応えようと試みた。歴史を振り返りつつ、先人の言葉を思い出しながら、同時に、ひとりひとりの議員が自身の歩んできた道を思い起こしながら、議場で「良心と判断」の説明をしようと努めた。議員の演説は夜を徹して行われ、延々30時間にも及んだ。――本書よ
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