「傍観者」は人を愛さない。「ニヒリスト」は人を愛さない。「彼ら」は自分自身を愛することもできない。自分の中にもある「彼ら」を克服し、交感への願いを開放すること。内なる声に応じ、自ら存在を賭けることが「親友」「恋人」を可能にする。自分の港へたどりつくための指針を示す。
サイド・バイ・サイドとフェイス・ツー・フェイス――愛し合っている男女の2人は互いに、自分が相手にとって、果たして何であろうかという質問に対する返事を、きわめて切なく待ち望んでいることであろう。相手が自分を本気で大切にしてくれているだろうか、自分が相手を本気で大切にしているだろうかというような、今の気持ちについて悩むことが非常に多いに違いない。(中略)ところが、そのことで悩むよりは、むしろ相手のために自分が何になりたいのか、相手が自分のために何になってほしいのか、力を合わせる2人が一体何を作り上げたいのか、というような目的に憧れて、そこに導くダイナミックな方向性に従っていっしょに進む向上心こそ、フェイス・ツー・フェイスに満ちたサイド・バイ・サイドの旅であり、愛の最も大事な方針なのではなかろうか。――本書より
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