似て非なるもの――ベースボールと野球。公園の芝生の上で楽しまれたベースボールが日本では人格練磨の苦行。深い溝に隔てられた日米の野球文化事情を微に入り細を穿って徹底比較。
クラブチームと球団――ベースボールでは、チームのなかで、プレイヤー、監督、コーチの順にエライと考えられているが、野球では、監督、コーチ、選手の順にエライと考えられている。さらにプロ野球では、監督よりも球団フロントの職員やオーナーのほうがエライと思われている。最近、ある日本の銀行が実施した子供に対する意識調査で、「大きくなったら何になりたい?」という問いに対して、(1)プロ野球選手、(2)会社の社長、(3)総理大臣、(4)サッカーの選手――につづいて、(5)プロ野球の監督という答えがあった。アメリカの子供たちが、ホームランを打てず、三振も奪えないような監督になりたいなどという答えを返すことは、まず考えられない。――本書より
+ もっとみる