ライアン100マイルの唸り。遊撃手オジー・スミスの曲技。パワーの衝突、魅せる技は一刻のカタルシス。お祭り騒ぎに展開する大リーグ沸騰野球の魅力。 時速100マイルの豪速球――彼らの攻撃的なピッチングを見ていると、タイミングをはずしたり、いろいろな球種で目先を変えたり、とかく小手先の技を弄びがちな日本のピッチャーたちとの差が浮彫りになってくる。彼らは「打てるなら打ってみろ」といわんばかりに、ワンパターンで投げてくるのだ。そのワンパターンこそが大リーグ野球の本質であり、結果を信じる気持ち同士のぶつかり合いが名勝負を生む。彼らが信じるものは、誰にも負けないスピードと自負する豪速球だけである。――本書より