今から6500万年前の白亜紀末、常夏の地球を跋扈(ばっこ)していた恐龍が一斉に地球上から消えた。史上最大のウルトラサウルスや、「歩く口」タイラノサウルスなど、恐龍たもはどんな生活をしていただろう。そして、大絶滅の原因は?巨大生命の誕生から滅亡へのドラマをひもとく。
史上最強の「まわし蹴り」――獣脚類の肉食性恐龍ディノニクスは、……恐ろしいカギ爪で一躍有名になった。……この鋭いカギ爪は、どうみても獲物を襲う場合の武器である。二本足で立つディノニクスが片方の足のカギ爪を使う時には、残された一本の足で立っていることになる。ヒトの場合にも、まわし蹴りというのがあるが、こういう攻撃法は空手部とかで日常的に訓練をしていない限り、テレビのショーや劇画の登場人物のようにうまくはできないものである。それも、ヒトは格別平衡感覚の発達した二足歩行の動物である。そのヒトにして、片足で立ち片足で攻撃するのは大変むつかしい。ディノニクスは、食事のたびにそれをやってのけたというわけだ。――本書より
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