個性的に生きている人にはかがやきがあり、適性に合った仕事にうちこむ人には自信と喜びがある。しかし、個性も適性もあらかじめ知ることはむずかしい。生まれつきの素質や育てられ方をもとにしながら、自らの意志や努力で伸ばしうる要素も大きいのである。職業選択にあたっては、だれもが、好きな仕事、自分に向いた職業は何かを模索しながら、迷う。本書は、適性はどのようにしてはかれるか、伸ばせるか、好き嫌いで評価はどう変わるか、人間関係において個性はいかに表現されるかなどを考察しつつ、自分らしさを望ましいかたちで、発揮する道を採る。
個性をつくる――ひとりひとりの人を特徴づけている個性とか性格といわれるものは、生まれつきの個人差もあるが、生後の環境、とくに親にどのように育てられたかによってつくられるところが大きいものである。しかし、個人の心理的諸特徴は、ただ素質とか親の育児態度によって受動的にのみつくられるものではない。自分自身の自覚に基づく能動的かつ積極釣な努力によって、自分をつくっていくことも、可能であるし、また自分の中に現在すでに存在している特徴を否定して、新たに望ましいと思う特徴をつくっていくことも可能なのである。――本書より
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