英子は、死んだ一雄によく似た弟・二郎の男心に触れ、英子の弟は、二郎の妹と親密になる。だが、親たちが期待するほどの進展を示さない。熟した柿が自然に地面に落ちるように、結婚についてもそういう経過を辿りたいらしい。そして、彼らに結婚の意志を固めさせる機会が、ついにやって来た……。さまざまな愛の姿を、滋味ある人生哲学で色あげした、大ベストセラー作家の傑作長編。〈下巻〉