木下藤吉郎をめざす留吉は順風満帆、キャバレーの経営者となるが、美貌の女優に裏切られて恋を失う。一方、結核で倒れた久保に、献身的助力を惜しまなかったエイ子も、久保の「友田賞」受賞を契機に見棄てられる。他人を信じ、そしてその果てに裏切られていきつつも、常に上を向いて歩む人間を描いた感動的作品。<上下巻>