ぼくが学校から帰ってくると、車庫に見たこともない車がはいっていた。まっ黄色の小さなそのすがたは、子象そっくりだ。運転するのはママ。ぼくは、はっきりいっておそろしかった。だって、ママは、ドジでおっちょこちょいなんだもの。そんなある日、心配していたとおり、ママは大失敗を……。 フリーのライターをしながらたくましく生きる母親像を、ユーモアとペーソスあふれるタッチでえがいた力作。