森と自然を守護する貴腐として生まれたリュウとタカ。二人は、二人で一つの存在です。お互いの精を与えあい奪い合うことでしか生きられない。でも、人間に肩入れしすぎて片割れを殺してしまったリュウは、人間界で生きることを余儀なくされる。
緑なす大地を育む『貴腐』として生を享けたタカとリュウは、同じ魂を共有する特別な一対だった。
先に雄性化したタカはリュウが体内で醸す精蜜を吸うことで飢えを満たし、リュウはタカに与えることで
耐えがたい疼きを鎮める。互いを喰らって生きる彼らは文字通り、離れられない《対の絆》で結ばれていた。だが、タカは自然を破壊する人間たちを憎んだ。リュウはタカを止めようとして、最大の禁忌を犯すが――。特別書き下ろし番外編「御堂顕也の告白」
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