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寄生バチをめぐる「三角関係」

寄生の標的を探すカリヤコマユバチ、葉を食い荒らすアワヨトウ、「タスケテクレー信号」を放つトウモロコシ、卵を守るためにイモムシを去勢するポリドナウイルス……。昆虫と植物、そしてウイルスが引く起こす奇妙な三角関係とはなにか。マクロな自然空間とミクロの寄生体内。二つの世界に拡がる共生の不思議。化学生態学と生理学の気鋭が描きだす驚異の昆虫コスモス。

【目次】
はじめに
第一部
序章 寄生バチをめぐる三角関係
第一章 匂いの遠近法
1 寄主発見
2 匂いの操作実験
3 追跡と検証
第二章 三すくみの生態系
1 至近要因と究極要因
2 齢を見分ける
第三章 トウモロコシ上でのさらなる探索
1時空間のずれ
2 分析と合成
3 産卵から孵化へ
第四章 ボディーガードを雇う植物
1 植物の5W1H
2 匂いとボディーガード
3 新しい化学生態学へ
第二部
第一章 ハチ―イモムシ、そして共生ウイルス
1 夜間観察
2 午前七時の一幕
3 単寄生か多寄生か
4 寄主はなぜ少食になるのか
第二章 寄主制御
1 生体防御反応
2 体内の防御戦
3 欺瞞
4 毒液とポリドナウィルス
第三章 親と子の絆?
1 ポリドナウィルス
2 起源と遺伝
3 忘れ去られたポリドナウィルス
第四章 寄主の蛹化阻止とは?
1 発育日数がたりない
2 いつまで寄生できるのか
3 謎の分身・テラトサイト
4 前胸腺の直接抑制
5 あらたな難問
ブックガイド
あとがき
索引