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福祉社会論

福祉国家批判を契機とした様々な議論は、既成の体制観や人間観あるいは党派性のために、冷静で包括的な検討を阻害しがちであった。本書の目的はそれら知的障害物を打破し、福祉国家を批判的に継承して〈あるべき福祉社会〉のヴィジョンを提出することである。

【目次】
まえがき
第I部 福祉社会の諸前提
1 歴史的諸前提
1.1 福祉国家の危機 福祉国家の再検討 経済危機と福祉国家 など
1.2 福祉国家から福祉社会へ 福祉国家の理念 福祉国家の成立 など
1.3 福祉国家と社会主義 経済体制と経済制度 民主的混合経済体制 など
1.4 経済体制の選択 国家の役割の理解 ケインズ理論の評価 など
2 理論的諸前提
2.1 効率と公平 資源配分の効率 市場経済と分配問題 ナショナル・ミニマムと再分配 など
2.2 経済成長と福祉 経済成長と所得分配 経済成長と完全雇用 など
2.3 資源と環境 人類の危機 持続的社会の条件 など
2.4 主体としての人間 産業社会と人間形成 など
第II部 福祉社会の諸制度
3 就業と職業生活
3.1 就業機会の保障 就業機会の保障の意義 経済政策の選択 など
3.2 雇用問題と社会政策 失業率と欠員率 失業率の目標水準の選択 など
3.3 教育と職業生活 職業と社会的地位 高等教育の規模の選 など
3.4 職業生活の人間化 職場の人間化と労働者参加 産業民主主義の要求 など
4 所得の分配と再分配
4.1 分配と再分配 分配状態の計測 分配状態の評価 など
4.2 財政と租税の制度 財政の機能 租税と公債 など
4.3 社会保障の給付と負担 社会保障の諸制度 所得税と社会保障給付 など
4.4 政府の規模の選択 政府の規模の検討 行政改革の意味 など
5 保健・医療と社会福祉
5.1 福祉社会と社会サービス 社会サービスの供給体制 など
5.2 保健・医療の制度と政策 医療費の給付と医療制度 など
5.3 社会福祉の制度と政策 社会福祉の機能と意義 など
5.4 社会政策と地域計画 地域計画の課題 など
第III部 福祉社会の諸条件
6 都市・家族・人間
6.1 福祉社会と都市政策 住宅問題と都市問題 など
6.2 国家・企業・家族 混合経済体制の再検討 など
6.3 教育と人間形成 教育の目標 など
6.4 福祉社会の展望 現代社会と自由 など
参考文献
索引