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テオクラシー

ある特定の宗教組織が国家を統治する機構と同一の神権政治とは、国家の政体の一形態である。古代~近代にいたるまでの歴史を概観する。

【目次】
日本の読者のために
序文
第一章 基本的諸概念
一 古代の遺産
A ローマ帝国治下の教会と国家 B 聖アウグスティヌス C ゲラシウスの教説
二 蛮族王国の道徳的指導(六~七世紀)
A 新しい時代 B 大グレゴリウス C 教説の完成
第二章 九世紀と十世紀における教皇と皇帝。できごとと理念
一 帝国によるキリスト教秩序
A できごと B 背後にある諸理念 C 権力の起源
二 教会権威の強化
A 流れの逆転 B 霊的権威の高揚 C 九世紀後半における聖俗両権の関係
三 帝国の再来
第三章 グレゴリウス的テオクラシー
一 グレゴリウス改革
A 十一世紀前半における帝国と教会 B 教会の危機 C 闘争
二 グレゴリウスの教説
A 基本的諸要素 B 聖俗両権の関係 C 源泉と論拠
三 反グレゴリウス主義的教説
第四章 十二世紀における逸巡
一 グレゴリウス主義的立場の維持
A これまでの理論体系の強化 B 聖ベルナルドゥス
もろもろの不備と変化
A 聖俗の職務の区別 B 世俗諸権力の発展 C 霊的領域の拡張
三 新しい理論の模索
A ライヘルスベルクのゲルホー B 教会法学者の運動
第五章 十三世紀における綜合
一 インノケンチウス三世
A インノケンチウスの幸運と不運 B 新しき議論
二 偉大なる綜合
A イソノケンチウス三世時代の教会法学者たちB 教皇政とフリードリヒ二世──インノケンチウス四世の教説 C 十三世紀後半の偉大な業績 D 反対の立場
第六章 ボニファチウス八世の時代。 厳しい戦い、時代遅れの思想
一 ボニファチウス八世とフィリップ・ル・ベルとの争い
A 闘争の局面 B 時代に適応できぬ教説
二 テオクラシーの著作
A 展開された主張 B もろもろの論拠
三 批判者たちの暴威
A 王権の上昇 B 自然的有機体としての国家 C 帝国の命題の復活
第七章 衰退
一 国家理念の強化
A バイエルン公・ルードヴィヒ四世と教皇庁 B 国家の理論家マルシリウス・パドヴァ C テオクラシーの反発とその挫折
二 オッカム主義
A 教皇政に対する批判 B ウィリアム・オッカムの諸命題
三 十四世紀以後のテオクラシーの運命
A 反テオクラシー的勢力の発展 B 諸思想の発展
結論
訳注
史料
訳者あとがき