「正義、法‐権利、脱‐構築」既刊・関連作品一覧
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70年代の「正義」概念によるアメリカ政治哲学の復興、80年代からの「法-権利」概念によるフランス政治哲学の再興。さらに旧政治哲学への回帰・後退を避けるべく、20世紀哲学の成果を踏まえて両者への架橋を企てるデリダの脱-構築理論の「法-正義」論への傾斜――三者の重合に新しい実践的展開への方途を探る。
【目次】
まえがき 現代思想状況
第一部 正義と法‐権利
序 問題の所在
I 現代アメリカ政治哲学vs現代フランス政治哲学
一 正義とエピエイケイア ロールズvsリクール 二 主体は間‐主体的である ロールズvsルノー 三 反省的判断力、政治の美学化か アーレントvsリクール 四 近代合理性の批判と再生 アーレント vs ルノー&ソソエ 五 文化の価値・権利の基準は? Ch・テイラーvs P・リクール、A・ルノー& S・ムジュール
II 概念の関係図式
一 正義、法、権利、係争と抗争、世界、神意と民意、《le reel》、《♀》、真理、乗り超え難い地平
補 アメリカ独立革命 vs フランス大革命
III L・フェリー& A・ルノーの「法‐権利」思想
一 なぜ《droit》か、「正義」でなく? 二 《droit》自律化の流産 ルソー 三 《droit》自律化の確立と不全 カント 四 《droit》協律としての自律 フィヒテ 五 フェリー&ルノー思想の独自性vs近現代諸思想、J・ハーバーマス 〈cogito〉はすでに〈co-agito〉である 六 「法的ヒューマニズム」と「リベラル共和国」
IV B・クリージェルの「法‐権利」思想
一 法と自然と人間本性 定義と立脚点 二 系譜学 サラマンカ学派、ボーダン、ホッブズ、スピノザ、ロック 三 多元性 国家の権利、人間の権利、市民の権利、民族の権利 四 「共和国」と「デモクラシー」 五 クリージェルvsフェリー&ルノー 六 法の批判主義vs法の自然主義
V 真理、正義、法‐権利
一 正義と真理 ロールズとハイデガー 二 法‐権利と真理 フェリー&ルノー 三 法‐権利と真理 クリージェル 四 法と正義 デリダ 五 真理と正義 A・バディウ
VI 異相変換 〈存在の真理〉から〈人‐間〉の〈法‐権利〉へ
第二部 脱‐構築と理性の再建
序 問題の所在
I デリダと「権利」の観念 そして、「権利」とハイデガー?
II A・ルノーにおける《droit》と「正義」
III 理性の二つの顔 自同性&自異・自乗性
一 (実定)法と正義 二 「主権の無制約性」を脱‐構築する 三 理性の「二つの顔」 四 「自己免疫不全症候」と「オスピタリテ」 五 「決断」と「引責」 六 デリダと現代実践思想