「甘え・病い・信仰」既刊・関連作品一覧
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著者が精神医学界に問うた「甘え」という新しい概念はその後、世界の学会に着実に受け入れられてきた。個の自立を強調する思潮に対し、人間関係の根底で「甘え」と信頼が果たす役割を明快に論ずる。さらに「甘え」の視点から聖書に光を当てて、愛されること、愛の受容がもつ深い意味を浮き彫りにし、癒されて在ることの真実の姿を示す、病める現代に送るメッセージ。
戦後、現代社会において「甘え」の経験を好ましくないとする風潮が生まれた。そこから引き起こされた社会的病理現象を明らかにするとともに、人間関係の根底で「甘え」と信頼が果たす意義と役割を論じる。
隣人愛に象徴される他者への愛が強調されてきたキリスト教の従来の見方にたいし、「甘え」の視点から聖書に光を当てて、愛されること、愛の受容がもつ深い意味を浮き彫りにし、癒されて在ることの真実の姿を示す。病める現代に贈る、甘えの大切さを語ったメッセージ。
【目次より】
「長崎純心レクチャーズ」について 片岡千鶴子
序言 稲垣良典
目次
第一日 甘えの話
「甘え」という言葉
甘えの心理
なぜ欧米語には「甘え」に相当する言葉がないか
甘えの移り変わり
妬みの心理
ニーチェの場合
聖書の読みと日本的発想
甘えを可能とするもの
「甘え」という概念
言葉の理解
甘えと縦関係
結婚生活と甘え
第二日 病いの話
病気とは何か
心と病気
心の病気の種類
病気と甘え
家庭の問題
なぜ治るのか
キリストの奇跡の意味するもの
悪霊の問題
「分かる」ことの危険
人の心が分かるとはどういうことか
日韓「甘え」の比較
甘え・しつけ・教育
第三日 信仰の話
聖書と甘え
イエスと甘え
神に対する甘え
聖フランシスコの祈り
愛することと愛されること
パウロの愛の讃歌
癒しについて
あとがき