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秦漢出土文字史料の研究

戦国末から魏晋に至る多様な出土文字史料を対象に、文字情報のみならず形状や出土状況をも視野に入れ、史料の形態論に先鞭をつけた研究成果。漢簡の側面に施された刻みを解読し、紙木併用期に特有の木簡の用法を分析することで、木から紙への書写材料の変遷に新たな角度から光を当てる。さらにテクストを読み解いて、地方統治を支えた官吏の姿や、統一法典不在のもとでの司法の実態に迫るとともに、漢の西北辺境という歴史世界の復元を試みる。中国出土文字史料研究の世界的水準を示す待望の一冊。

【目次より】
序章 出土文字史料研究の立場と方法
第一部 素材としての出土文字史料
第一章 刻歯簡牘初探 漢簡形態論のために
第二章 魏晋楼蘭簡の形態 封検を中心として空
第三章 簡牘・〓帛・紙 中国古代における書写材料の変遷
第二部 制度と習俗の復元
第四章 里耶秦簡と移動する吏
第五章 王杖木簡再考
第六章 長沙東牌楼出土木牘と後漢後半期の訴訟
第七章 漢代結〓習俗考
第三部 居延漢簡研究の地平
第八章 漢代エチナ=オアシスにおける開発と防衛線の展開
第九章 日本における居延漢簡研究の回顧と展望 古文書学的研究を中心に
第十章 爵制論の再検討
第十一章 皇帝支配の原像 民爵賜与を手がかりに
おわりに
コメント
あとがき