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ノヴァーリスと自然神秘思想

ノヴァーリスの主として理論的著作を取り上げ、ノヴァーリスの自然思想を十八世紀末の思想状況において明らかにする。第一に、ノヴァーリスの自然思想を、ルネサンス以来のヨーロッパの「自然神秘思想」の伝統の受容と変奏として検討、第二に、ノヴァーリスの思想における「自然」の問題を体系的にとらえ、とくに、哲学や自然科学をふまえた「自然学」が、なぜ、いかにして「詩学」となるのかを考察する。

【目次より】
はじめに
引用について
第一部 超越と自然
第一章 「ノヴァーリス」の誕生
1 「熱狂の擁護」
2 体験と哲学
第二章 ガイストの顕現としてのこの世界
1 「制約なきもの」と「物」
2 エクスターゼと知的直観
3 「ガイスト」の運動
4 神性への媒介者 宗教
5 表象 哲学
6 森羅万象の相互表象説と新プラトン主義的な世界像 自然学
第三章 世界の意味の喪失と回復
1 世界の意味の喪失
2 黄金時代
3 回復の方法 ロマン化
4 伝統との関わり
第二部 自然学
第四章 マクロコスモスとミクロコスモス 自然と人間
1 マクロコスモスとミクロコスモス
2 自然と人間
3 自然の救い
4 自然とわざの愛の関係
5 魔術師としての人間
第五章 魔術
1 魔術史への興味
2 魔術と観念論哲学の重ね合わせ
3 「未来のシェーマ」としての魔術
第六章 万物の共感の学
1 伝統のなかの共感の学
2 ガルヴァニズム、電気、磁気
3 ブラウン医学
4 動物磁気
5 「ラヴォワジェの革命をこえるもの」
第七章 しるしの学 しるし・記号・象徴
1 自然神秘思想の伝統における「シグナトゥール」
2 近世の記号の学
3 自然の文献学としての自然学
4 しるしとその意味 「外なるもの」と「内なるもの」
第三部 詩学
第八章 心情の表現としてのポエジー
1 自然と人間の内的空間としての心情
2 心情のあり方
3 心情とポエジー
第九章 高次の自然学としてのポエジー
1 自然哲学との関連と相違
2 ゲーテの自然学とノヴァーリス
3 自然と精神のアナロジー
4 光の問題
第十章 文学の理論としての詩学
1 ロマン的ポエジー
2 芸術とポエジー
3 自然とポエジー
第十一章 シンボルとアレゴリー
1 シンボル
2 アレゴリー
おわりに
あとがき

引用テクストおよび参考文献