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唐宋の文学

中国文学のピークをなす唐宋の文学。その文学空間に飛翔した多彩な表現。定型的な見方から自由になって、真実・魔力・快楽という新たな視点から中国文学の魅力に迫る。著者は中唐から宋代への文学意識の転換を踏まえ、文学作品の枠にとらわれずに文学者の逸話など幅広い素材を、日本や西洋の作品をも視野に入れて、自在に語る。「空の空なるもの」に過ぎない文学が、いかに大切であるかを明らかにして、格好の文学案内となった。

【目次より】
まえがき
目次
第一章 詩と真実
第一節 華山遭難
第二節 半夜鐘
第二章 文学の魔力
第一節 栄光と受難 文学作品の効用
一 栄光
二 受難
第二節 文学創作の説話
一 夢と詩才
二 作詩の指導
三 推敲
第三節 詩識 ことばの魔力
一 六朝時代の詩識
二 唐代の詩識
三 宋代の詩識
四 詩識をめぐる議論
第四節 作家と作品
第五節 恐ろしい文学
第三章 快楽としての文学
第一節 古文の修辞学
一 象徴としての登山 「始得西山宴遊記」
二 数字の魔術 「捕蛇者説」
三 愚者の美学 「愚渓詩序」
四 文体と認識
第二節 怪奇の文学 韓愈
一 独創性の追求
二 暴力と破壊
三 醜悪の美
四 唐から宋へ
第三節 娯楽の文法
一 暗号
二 脱出
三 対決
四 時の旅
五 トリック
六 試練
第四節 詩学の発見
一 不尽の意
二 換骨奪胎と点鉄成金
三 興趣
四 景と情
五 読みの快楽
六 知の冒険 王安石の集句について
第五節 快楽の思想 蘇軾を中心に
一 快楽の思想
二 快楽の思想を支えるもの
三 快楽の思想の源流
四 もうひとつの桃源郷 相対化への志向

あとがき