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十字架のヨハネ研究

一六世紀スペインの神秘家で詩人であった十字架のヨハネに関する初めての本格的研究。人間の魂が神との合一に向かう過程を入念に叙述・分析したヨハネの作品は、心理分析の精緻さと的確さ、さらには哲学的・人間学的な洞察の鋭さにおいてスペイン文学史上の至宝ともいえる古典である。著者は独自の方法により宗教言語論的特性を解明するとともにその解釈学的構造を分析、ヨハネ神秘思想の全貌を明らかにして、従来の神秘主義理解の視野を拡大する。

【目次より】
序文
略記号表
第I部 序論
一 生涯と時代
二 作品
(1) 造形作品 (2) 主著(3) 詩 (4) その他 (5) テクスト
三 思想の源泉
(1) 聖書 (2) カルメル会の伝統 (3) 教父、正統神学者 (4) スペイン神秘主義 (5) 世俗文学 (6) ドイツ系神秘主義 (7) ルネサンス思潮 (8) ユダヤ教神秘主義 (9) イスラム神秘主義
四 方法と視点
第一節 視点・関心・方法 第二節 本書の構成
第II部 道程
一 神への翻案/人への翻案 『ロマンセ』の位置
二 愛にみちた観念 『カルメル山登攀』における否定神学とそれを破るもの1
三 見ることと触れること 『カルメル山登攀』における否定神学とそれを破るもの2
四 夜の構造 『カルメル山登攀』・『暗夜』の根本イメージ
五 魂の受動性 『暗夜』の根本問題
第III部 合一
一 合一を語る言葉 『愛の生ける炎』における神秘的合一のイメージ1
二 魂の中心/神の中心 『愛の生ける炎』における神秘的合一のイメージイメージ2
三 甘美な接触 『愛の生ける炎』における神秘的合一のイメージ3
四 神のかげ 『愛の生ける炎』における神秘的合一のイメージ4
五 私の胸で恋人は目覚める 『愛の生ける炎』における神秘的合一のイメージ5
六 合一の人称 『霊の讃歌』における神秘的合一把握
あとがき