「浮世絵細見」既刊・関連作品一覧

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浮世絵細見

浮世絵は誰もが身近に感じる日本美術の代表。欧米での人気もうなぎのぼり。が、こんなにわかっていないことが多かったとは。
 そもそも洋画や日本画さえ西洋の美術をモデルに明治時代に作り出された。浮世絵の全盛期に「美術」という言葉はなかった。私たちが浮世絵を美術館で鑑賞するのと違い、もとは私的な楽しみのため市井で売り買いされるものだった。
 そんなことは知っていると言うかもしれない。ところが、買い手が浮世絵をどのように持ち帰ったのかさえ、実はよくわかっていないらしい。展示や画集になれっこになっているから、いちいち想像などしない。しかしそれで本当に浮世絵を身近に楽しめていると言えるだろうか。
 本書は、こうした謎を最新の知見にもとづき、現時点でわかるギリギリのところまで教えてくれる。親切な浮世絵の入門書は少なくない。けれども、わからないことをここまで教えてくれる本は初めてだ。  
――椹木野衣氏書評(朝日新聞、2017年10月22日)

【本書の内容】

◎大判、中判、間判、短冊……浮世絵のサイズはどう決まる?
◎紙が貴重な時代の包紙……浮世絵を買ったらどう持ち帰る?
◎役者絵と興行記録の違い……絵師は舞台を見て描いたのか?
◎浮世絵師という仕事……収入、住まい、仕事の量とスピード
◎贋作・剽窃・続編……江戸時代の認識はどう違う?
◎右側だけ二種類ある絵……異版はなぜ生まれたか?
◎使える浮世絵……手紙用箋、折手本、特別用箋の実態
 ――ほか、「そういえば知らない」浮世絵の謎を解き明かす!

浮世絵研究とは、紙の「折り跡」が謎を深め、制作年の一年の差が、謎を解く鍵になる世界。そこをちらりと覗いてみれば、絵を眺めるだけでは決して見えない浮世絵版画文化、そして江戸という時代の全体が立ち上がる。