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心の科学史

近代心理学の起源は、1879年ヴィルヘルム・ヴントによる心理学実験室開設の時点とされる。それは「心を対象とする科学」の宣言であった。その後19世紀末から20世紀を通して、心理学はその方法論や認識論に関するさまざまな「革命」を生み出しながら領域を拡大していく。19世紀後半の「始まり」を用意した思想的背景は何だったのか。また古代以来の西洋哲学史のなかで「心の問題」はどのように扱われてきたのか。


人間は「心」をどのようなものと考え、その作用・構造をどう捉えようとしてきたのか。近代心理学の起源は、1879年ヴィルヘルム・ヴントによる心理学実験室の開設(ライプチヒ大学)の時点とされる。それは「心を対象とする科学」の宣言であった。その後19世紀末から20世紀を通して、心理学はその方法論や認識論に関するさまざまな「革命」を生み出しながら領域を拡大していくことになる。
では、19世紀後半の「始まり」を用意した思想的背景は何だったのか。また古代以来の西洋哲学史のなかで「心の問題」はどのように扱われてきたのか。
本書では、古代ギリシャのプシュケー・プネウマ論から中世霊魂論への変遷を概観し、近代の進化論、生理学研究の進展によって「心理学」が自然科学の一分野として自覚するようになるまでの思想的過程を眺望する。