「日本人の数学 和算」既刊・関連作品一覧
『塵劫記』の吉田光由、“算聖”関孝和、最上流の会田安明、そして東京数学会社へ
泰平の江戸に開花した日本数学の精華
『塵劫記』の吉田光由、高等数学を開拓した関孝和、和算が民衆に広がる契機を作った最上流の会田安明。そして明治維新、西洋文明が流入するなかで、日本中の数学者が一堂に会して発足したわが国最初の学会、東京数学会社――。幕藩体制下に独自の発展をとげ、世界に類を見ない大輪の花を開いた和算という文化とその歴史を描いた、格好の和算入門。
上代および中世の日本人の数的知識がどのようなものであったかを追求することは、日本人の一面を知る上に必要であるが、そのなかでも明治維新以前の日本人の一般的な数学知識を知ることは、和算から洋算への転機となるためのステップを知る上にきわめて貴重な手がかりを与えてくれるという意味で、ますます研究さるべき分野であろう。――<本書「はしがき」より>
※本書の原本は、1972年、河出書房新社より刊行されました。