「日本人の「戦争」――古典と死生の間で」既刊・関連作品一覧
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一人の戦中派が書きつづけた、死者と対話。古典と対話。
正成、信長、二・二六、そして「あの戦争」。
日本人にとって戦争とはなんだったのか。
なぜ「あの戦争」はあれほど悲愴な戦いになったのか。
なんのために死んだのか。なにより、なんのためなら死ねると言えたのか。
「戦中派」思想史家は、同年輩の死者たちの中断された問いかけに答えるため、死者と対話し、古典と対話する。痛恨の論考。鎮魂の賦。
【本書の内容】
まえがき
【1】日本人の「戦争」――古典と死生の間で
1 実感と「抽象」
2 「僕は妣の国に往かむと欲ひて……」
3 言霊の戦い――「海行かば」
4 修羅の戦い――「七生報国」
5 信長の戦い――「滅せぬ者のあるべきか」
6 「国民」の戦争
――「朝日に匂ふ日の本の 国は世界に只一つ」
7 歴史の中の「戦争」――「見るべき程の事は見つ」
【2】「開戦」と「敗戦」選択の社会構造
――“革命より戦争がまし”と“革命より敗戦がまし”
1 “戦争か平和か”の選択でなく
2 「国体」を支える社会構造
3 二・二六事件の後に
4 農地調整法と企画院事件
5 先制攻撃をうける懸念
6 内戦への懸念
7 革命か敗戦かの選択
【3】天皇・戦争指導層および民衆の戦争責任
1 半世紀後の戦争責任論
2 天皇の戦争責任
3 戦争指導層の戦争責任
4 民衆の戦争責任
【4】日本の「戦争」と帝国主義
――空腹の帝国主義と飽食の帝国主義
1 帝国主義の昔と今
2 金銭と暴力――シャイロックから帝国主義へ
3 日本の「戦争」――空腹の帝国主義
4 現代の帝国主義と超帝国主義
【終章】特攻・玉砕への鎮魂賦
1 「汝心あらば 伝へてよ玉のごと われ砕けにきと」
2 『戦友』と『同期の桜』
3 鎮魂の賦
初版あとがき
新版のためのあとがき
解説