「フッサール心理学宣言」既刊・関連作品一覧
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「私が私であること」「他者が存在すること」がわからなくなるという、多くの人が幼児期あるいは少年期に体験する「独我論的体験」。フッサール心理学はそれを正常な発達過程の一階梯ととらえ、その体験の内的構造を分析すべく現象学を援用して練り上げられた技法である。
現代は独我論的体験や独我論者への「淘汰圧」が弱まった時代である。
当たり前のこととしてあった「私が私であること」「他者が存在すること」が、ある日突然わからなくなってしまうという眩暈に似た感覚。それは疑われることのない類的存在としての自己の自明性に亀裂が走ることによって引き起こされる。
かなりの人の幼少期に見られるこの体験を正常な発達過程の一階梯と捉え、その内的構造を解明するために、フッサール現象学に基づいた新たな心理学がここに提唱される。もともと現象学はその成立からして心理学への方向性を持っていたのだった。
<フッサール心理学>は、エポケー、現象学的還元という現象学の概念を援用し、自我体験・独我論体験の解明や、それら体験から出発したユニークな芸術家・科学者の世界観の分析のために、フッサールを読んだことがなくとも誰にでも使うことができる技法として作り上げられたものである。
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