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日本の職人

この風土の繊細で闊達な手仕事の魅力を探る!
現場ルポと歴史の両面から、伝統技術と日本文化を問い直す

青銅鏡、墨、刺繍、タタラ製鉄、漆、べっ甲細工、扇、鯉のぼり、蒔絵(まきえ)、焼き物、竹細工……。二十世紀後半、科学技術史家である著者は、職人の仕事場を訪ね歩き、伝統の技とその現状を報告する。現代へとつながる、中世~近代の日本における職人の変遷を概観し、苦しくも誇り高き手仕事を再評価する。職人の盛衰から日本文化を読み解く試みでもある。

とりちらされた竹屑の間には、とぎすまされてつめたく鋼鉄の肌を光らせる刃物が見える。……さまざまな形をした工具もある。そのどれもが長い間の手ずれで光っている。それらの形ひとつにも職人たちの独自の考案と工夫のあとがある。……それをまるで自分の手足のように自由自在に取り扱って、……物をつくり出す。そのひとつひとつに彼らの人間的なエネルギーがじっくりと注ぎこまれる。……すべてに充ちているのはほのかな温かさである。こうした生産活動をつづける人たち、それが職人である。日本の職人たちである。 (「プロローグ」より)

※本書の原本は、1976年に角川書店より刊行されました。