「高尾山の「精進」家庭料理」既刊・関連作品一覧

高尾山の「精進」家庭料理

精進料理というと、地味で淡白で少量でおいしくないものさえある、作るにしてもいろいろ面倒くさそう、というややネガティブなイメージもなくはありません。しかし昨今の健康ブームや食意識の高まり、菜食や「低糖・低塩」志向などから、日本伝統の「健康食」といえる精進料理への関心と必要性は高まりを見せています。各地の禅寺やカルチャーセンターの教室も、どこもすぐに定員になってしまうという隠れたブームで、精進料理のレシピ本や雑誌特集なども増えています。
ところで高尾山といえば、ミシュランガイドで3つ星になっているように一年を通じて大人気大賑わいのスポットです。精進を、高尾山への親近感・日常感・ブランド感とコラボさせて、ポジティブでカジュアルな健康レシピとする(「非日常的」な精進を「いつもの手軽」な一品に変える)、かたくるしいことは抜きにすることで、これまでの「精進本」との差別化を図ります。
高尾山でも元々は修行験者のための質素な食事でしたが、信徒や参拝者をもてなすときに工夫をしていって今風にアレンジしものが、薬王院での精進料理です。化学調味料や塩分・糖分には頼らず、素材そのものの持つ味と滋味、栄養を引き立てています。ふだん観光客や団体客に出すことが多いため、料理の彩りや器、盛りつけも旧来の堅い型にこだわらない、いわば「ニュー精進」と呼んでも過言でないカジュアルさやカラフルさが特長です。
精進料理はじつは意外と簡単に家庭でも作れることは、あまり周知されておりません。著者は入山以前にホテルや料亭などでのキャリアがあり、現在は日々一般のお客さんに接し、また精進教室も時折開いているので、家庭で作れるレシピレベルは熟知しています。
閉塞する世の中に、自然の恵みと滋味をいただきつつ安心感のある手軽な健康レシピでより多くの読者さんにほっとする食卓を囲んでもらえたら幸いです。